「、飯」
「ふざけんな。私はお前のせいで腰が痛い」
「ほう。で、飯は?」
「お前・・・ちょっとそのツラを貸せ、一発殴らせろ」
「俺はもう一発してェんだがなァ?」
「高杉・・・お前、死んでくれ。頼むから」
遡ること数時間前、私は珍しく非常に気分が良かったので、何かと口煩い同居人(というか恋人?)に久々に手の込んだ料理でも作ってやろうと、張り切って台所に立っていた。
数分後、帰宅した高杉は何を思ったか突然盛りだし、なんと台所で事に及びやがった(最悪。ほんとに死んでくれ)。
料理は中断してしまったが、「1回で済む」とのことだったので仕方なく甘んじて受け入れたが・・・あの性欲の塊の高杉がそんなもので済むはずもなく、行為が済むと寝室へ連行され2ラウンド、3ラウンド・・・が発生してしまった。
そして当然ながら私は、バテバテでもう一歩も歩けないような状態だ。
しかし、そんな私とは対照的に、高杉は涼しげな顔で飯などとほざいている。
人が折角張り切っていたというのに、お前がさっき中断させたんだろうが。
そこのところ、分かってるのか?
もう、これは私に喧嘩を売ってるとしか思えない。
高杉は相当腹が減っているらしく、早く起きて飯を作れと揺さぶってくる。
いや、でも待て、この状態で揺さぶられたら・・・
「あ・・・」
あれほどゴムを付けろ、せめて中で出すなよと事前に釘を刺しておいたのに、この男は一度として守ったことなどない。
どろりと垂れる液体に何とも言えない不快感を感じて眉を顰めると、高杉はまた良からぬことを考えてるようで、嫌な笑みを浮かべていた。
兎に角これを処理しないことには何も出来ないので浴室へ向かうべくベッドを出ようとしたのだが、腕を掴まれそれは叶わない。
「・・・お前は、俺を誘ってんのかァ?」
「誰が。て言うか、お前、また中で・・・」
「あァ?お前だって良かっただろうが」
良い、悪いで言ったら確かに前者なので何も言えなかった。
いや、そもそもそういう問題ではない。
だが、これは明らかに高杉に非があるだろう。
「この手は何?」
「動けねェだろ。運んでやる」
「へぇ」
「ついでに風呂で一発「しようとしたらご飯作らないから」」
「・・・」
頬を掻いた後、仕方ねェな、今日は俺が処理してやるよ、などと偉そうな口を叩くので一発殴ってやった。
本当、なんで私、こんな男と一緒に居るんだろう。
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